【5月11日 AFP】議論を呼ぶ「帰化政策」を推し進めているサッカー中国代表は10日、今月末から再開されるW杯カタール大会(2022 World Cup)の重要なアジア2次予選に向けた招集メンバーを発表し、5人の海外出身選手が名を連ねた。

 大きな野心を抱いているものの長きにわたって結果が出ず、国際サッカー連盟(FIFA)のランキングで77位に沈んでいる中国は、2022年のW杯カタール大会に出場するための手っ取り早い解決策として、2019年に海外出身選手を起用し始めた。

 代表チームを率いる李鉄(Li Tie)監督は今回26人のメンバーを招集し、エウケソン(Elkeson)、フェルナンジーニョ(Fernando Henrique da Conceicao 'Fernandinho')、アラン(Alan Douglas Borges de Carvalho)というブラジル出身の3人のアタッカーが名を連ねた。

 また、エウケソンらが所属する広州FC(Guangzhou FC)のチームメートであるDFティアス・ブラウニング(Tyias Browning)や、MFニコ・イェナリス(Nico Yennaris)も選出された。

 両者はイングランドのユース代表にも選ばれた経験を持ち、英リバプール出身のブラウニングはプレミアリーグのエバートン(Everton)で、イェナリスはアーセナル(Arsenal)に所属していた。

 マルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)前監督の下、中国がシリアに1-2で敗れた2019年11月のアジア予選で招集されていた中国籍取得選手はエウケソンとイェナリスだけだった。

 地元メディアや識者、元代表選手の中には、中国籍取得選手を起用する動きに疑問を呈する人もいる。

 中国の本戦出場の望みは疑わしいが、チームを率いる李監督は、スペイン2部リーグのRCDエスパニョール(RCD Espanyol)に所属していたため最近のトレーニングには参加できていなかった主力FW武磊(Lei Wu、ウー・レイ)の復帰に後押しを受けている。

 現役時代にエバートンでプレーし、シリア戦後に辞任したリッピ前監督の後任となった李監督の下で、中国はアジア2次予選のグループAで2位につけており、首位シリアとは暫定で8ポイント差となっている。

 アジア2次予選では、各グループの1位チームだけが次のラウンドに進むことができる。(c)AFP